谷根千探訪

東京・谷根千界隈の古き良きおすすめの場所を紹介するブログです。

恥ずかしながら「舞姫」を読んだことがありません。

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森鴎外記念館に行ってきました。

森鴎外。特に説明の必要もないですが、言わずと知れた明治、大正期の文豪です。小説家であり翻訳家でしたが、もとは軍医(お医者さん)だったそうです。1862年、島根県津和野の大名に使えるお医者さんの家系である森家の長男として生まれ、10歳の時に父と共に東京に来たそうです。最年少で東京大学予科に入学したそうですから、大変優秀な方だったんですね。大学を卒業後、軍医となり、その後ドイツへ留学しています。帰国してから軍医として働きながら小説を執筆していたそうで、才能があったんですね。お医者さんかつ小説家って、なんたる才能でしょうか。まさに二物を与えられています。

文京区千駄木に30年間住んでいたそうで、その場所が上の写真の通り記念館になっています。

鴎外はここに「観潮楼」という建物を建て、60歳で没するまで済んだそうです。家の2階から遠くに品川沖の海が見えたことからついた名前だそうですが、実際はそれほど見えなかったという説もあります。1945年の戦災で建物の多くが焼失してしまったそうですが、銀杏の木を含むいくつかは無事に残り、今もその姿を見せています。

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「薮下通り」側の出入り口から見える銀杏の木

ごらんの通りかなりおしゃれな外観です。谷根千に似つかわしくないほどモダンです。2012年に改築されたんだそうです。なんか好きです、この建物。

鴎外生誕100年にあたる昭和37年に鴎外記念室を併設した文京区立鴎外記念本郷図書館を開館し、平成24年に鴎外生誕150年を記念してこの森鴎外記念館が開館したそうです。

こまこまとした谷根千の中にあって、エントランスが開けているのはちょっとした解放感です。建築した陶器二三雄さんという方がドイツの街並みを彷彿させるようなつくりにしたんだそうです。

なぜにドイツかというと森鴎外はドイツに留学してたんですね。そこでの経験がのちに小説「舞姫」「ヰタ・セクスアリス」などを生み出したそうです。

話はそれますが、この「ヰタ・セクスアリス」って、読めます?「イタ・セクスアリス」かなあと思っていましたが、正しくは「ウィタ・セクスアリス」だそうです。「ヰ」の字はだいたい「イ」と読みますが、鴎外の小説はラテン語の「vita sexualis」からきているのでそう読むのですね。ウイスキー→ウヰスキーとなってたりしますが、昭和初期くらいまでこの字が使われていたようです。

 

そしてタイトルに書いてしまいました。私「舞姫」読んだことがないです。それだけではありません。森鴎外の小説を読んだことないです。本屋が好きで本が好きと言いながら、この巨匠の作品を読んだことがないのは恥ずかしい。恥ずかしすぎて人には言えません。でも言ってしまいました。

他にもいろいろ書いてますよね、鴎外。でも「舞姫」しか聞いたことあるタイトルはありませんでした。自分の知識のなさを実感しました。。

「舞姫」は鴎外の代表作の1つで、ドイツに留学した主人公太田豊太郎の体験記の形を取った小説で、留学先で出会ったエリスとの出会いや仕事のことなどがつづられた作品です。と、偉そうに書いてみましたが、読んだことはありません。

なんで読まなかったんでしょうね。国語の教科書大好きだったんですが、載ってた記憶はないです。教科書のせいにしたりして。全人口の何%くらいが読んだことあるんでしょうかね、鴎外。みんな読んでるのかな。

 

で、記念館ですが。

中も随分とおしゃれです。建物自体がしゃれてるので空間はもちろんのこと、ミュージアムショップのグッズや併設されたカフェもしゃれてます。

入館料300円(良心的)を払って中に入ります。展示室は入館料が必要ですが、2Fの図書室や1Fのカフェの利用のみであれば無料で入れるようです。

地下の展示室には鴎外自筆の原稿や写真出版された当時の本などが展示されています。企画展として「文学とビール」がこの日は開催されていました。ビールが登場する小説が年代別に紹介されていました。こういう企画を考えるのって大変そうです。新たな切り口を常に探さないと・・・人に興味を持ってもらうためにいろんなことを考えて。なんてことを考えてしまいました。

そして最後にビデオ(って昨今は言うんでしょうか?)が上映されていて、安野光雅さんや作家の平野啓一郎さんが鴎外について語っている映像でした。誰もいない部屋で1人映像を見ました。安野さんや平野さんの話を聞いているうちに俄然鴎外の本が読みたくなってきました。中でも安野さんが紹介されていた「即興詩人」を読んでみたい!

 

展示室を出る際にアンケートをお願いされて、アンケートを書いて1Fに戻って渡すとカフェのドリンク割引券をいただきました。恐縮です。小さなミュージアムショップでは事前に目を付けておいた「東京方眼図」をいそいそと手に取りました。鴎外が作ったという東京の古い地図です。ほかにもおなじみクリアファイルやポストカードなどミュージアムショップには必ず置いてあるグッズがありますが、わりとどれも一風変わってていろいろと欲しくなってしまいます。

そしてさっそく影響を受けて読みたくなった「即興詩人」がないかなと探します。本も小さな空間の中で厳選されて置いてある様子。小さい空間なのに見つけられない。スタッフの方に聞いてみると、ありました。「即興詩人」というタイトルから勝手に小さい文庫本を想像していました。でも、置いてある中で特別分厚く、手に取るとずっしりと重たいハードカバー。これは・・・初心者には早すぎる。そっと本棚に戻します。初めての鴎外ということでやはり舞姫(しかも井上靖さんの現代語訳)を選んでお会計。

 

そのまま併設のカフェ「モリキネカフェ」にいきました。

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光が入って本を読むのにいい空間。ここでも1人。

モリキネカフェ・・・モリオウガイキネンカイカンカフェ・・・モリキネ。なるほど。

モリキネプレートとかモリキネサンドとかおいしそうだったのですが、お昼前でおなか一杯になると困るので、どら焼きと珈琲を注文しました。

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珈琲を飲んで、鴎外の顔が焼き印されたどら焼きを食べて、「舞姫」の冒頭を読んで、記念館を後にしました。どら焼きの鴎外の顔、ちょっと夏目漱石ぽいです。

 

この日は金曜の午前中。ゆったりと人気の少ない中でのんびり過ごすことができました。

 

場所は東京メトロ千代田線・千駄木駅が一番近いです。

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団子坂を上った右手にあります。正面が団子坂。

団子坂とは江戸川乱歩の小説「D坂の殺人事件」の舞台となった坂です。この坂を上るとすぐなので千駄木駅1番出口からは徒歩3、4分でしょうか。

(江戸川乱歩は好きです。たくさん読みました。推理小説って中毒性がありますよね。養老孟司さんもそう言ってて、かつて仲間がいるとホッとした記憶があります。)

かなり急こう配で道が狭いのでお気を付けください。

 

あとは東京メトロ南北線の本駒込駅からも近いです。団子坂を反対側から来る感じです。 

場所はこちらです。

 

 森鴎外記念館公式サイト

開館時間 10:00〜18:00
休館日 毎月第4火曜日

 

以下の施設のいずれかのチケットの半券で入館料が2割引きになるそうです。

ふるさと歴史館
鳩山会館
弥生美術館・竹久夢二美術館
旧安田楠雄庭園
東洋文庫
金土日館

 

詳細はこちらをご覧ください↓

ご利用案内 - 文京区立森鴎外記念館