谷根千探訪

東京・谷根千界隈の古き良きおすすめの場所を紹介するブログです。

勇気を出して入ってみました。谷中の「繪所アラン・ウェスト」。

ずっと気になっていた場所がありました。いつもいつも前を通っては、今日は時間がないからとかなんだかんだ理由を付けて通り過ぎていました。気軽に入ってはいけない気がする、そんな場所でした。ですが、ついにその扉を開けました。

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重厚感ある独特の雰囲気の面構え。

 

「繪所アラン・ウェスト」

この場所は「繪所アラン・ウェスト」といって、アメリカ人の画家アランさんのアトリエ兼ギャラリーです。左右のショーウィンドウにはアランさんの描いた作品が展示されています。

アランさんはアメリカ・ワシントンDC出身の方です。カーネギーメロン大学芸術学部絵画科を卒業後、東京芸術大学の加山又造研究室に入り、加山氏に師事したという意外性抜群の経歴をお持ちです。

加山又造といえば、近代日本を代表する日本画家の大家です。「現代の琳派」と言われていて、金箔の背景に花や草木などの植物が大胆な構図で描かれた作品が思いうかびます。加山氏の作品は幽玄的な桜や鳥などの動物や女性の絵のほか迫力満点の龍の絵など幅広い作品があって日本画の常識にとらわれていない人、という印象です。どういった経緯で研究室に入ることになったのか気になるところです。

 

さて、いよいよその扉を開けました。(実際にはご自由にお入りくださいという感じで引き戸が開いてました)

お邪魔したときにはニューヨークからのお客様がアランさんと英語で楽しげに話されていましたが、私たちが入るとやさしく「どうぞ」と声をかけてくださいました。

実はここに来る直前に以下のサイトを読んでいて、「もしかしたら厳しいお方かもしれない・・・」と内心ドキドキしていましたので優しいお声にホッとしました。

 

www.okamura.co.jp

 

ところで初めて入るお店には私は最大限の注意を払って入りたいと思っています。お店の方、特に個人で営業されているお店の場合はそのお店の雰囲気を壊さぬように、マナーと敬意を以てその場のルールに従いたいと思っています。でないとお店の方が作り上げた大切な「空間」が壊れてしまうと思いますので、そこは常に気を付けたいです。

 

 

中に入ると想像以上にすてきな空間!アランさんの描いた日本画(と簡単に分類してはいけない気がしますが)がたくさん飾られています。

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屏風が2枚。どう撮ってもきれいな写真になります。

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陽の光がやさしく入り込んでこれまた美しい空間

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岩絵具などの画材を使って描かれた作品

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掛け軸も。美意識がすごいです。

こちらはギャラリーでもありアランさんのアトリエでもあるそう。作品の販売はもちろん、オーダーメイドで絵を描いてもくださるということです。これまでにホテルや料亭、神社やお寺などに依頼を受けて作品をおさめたこともあるそうです。
迫力がありつつ静かでやさしい雰囲気も併せ持つアランさんの作品はたしかに神社やお寺にもすごく合いそうです。

 

お客さまが私たちだけになったところで、アランさんにいろいろお話を伺うことができました。このギャラリーは今年で20年になるそうで(長い!)、そのころからご自分で手を入れ続けているそうです。自作とは・・・すごい雰囲気を放っています。

そして入った瞬間から気になっていたこちらの障子。透け透けの美しい織物が使われているのですが、これは長年試行錯誤してたどり着いたアイディアだそうで、京都の西陣織の職人さんに作ってもらったものだそうです。奥で絵を描くご自身の姿がお客様から完全に見えなくなってはいけないし、見えすぎてもいけない、そのちょうどバランスのいいものなんだそうです。

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透かしの織物。金糸の模様が本当にきれい。アランさんの絵を描く場所ですが、能の舞台を開催したこともあるそう。

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さらに近くで。奥に見える屏風もアランさんの作品。

ちなみに今回写真をたくさん掲載していますが、アランさんの許可を得て撮影・掲載しています。おそるおそる「写真を撮ってもいいですか?」とお聞きしましたところ、「どうぞどうぞ。いやになるほど撮ってもいいです。撮ってはいけない理由がわかりません。」とのお答え。 勝手なことを言うようですが、優しくて穏やかでチャーミングな人柄にすっかりファンになってしまいました。

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こちらがアランさん。笑顔がステキ~。

そして、今回一番好きだなーと思ったのが天井画!素晴らしすぎます。

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天井には16枚の作品が。それぞれに牡丹や椿など花や植物が描かれています。

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こちらは龍。迫力満点です。

たくさんお話ししていただき、最後は出口までお見送りしてくれたアランさんでした。

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ギャラリーの外観をもう一度。かっこいいです。

この日は本当に感動して刺激をいただいた日でした。

勇気を出して足を踏み入れてよかったです。気になっていた場所があったら入ってみようと思いました。

お店の向かいにあるベンチ。アランさんが手がけているそう。よくインスタにもアップされていてちょっとしたスポットになっています。

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抜群のセンス。写真がちょっと歪んでいるのが申し訳ないです。

場所は、谷中の有名なヒマラヤ杉の近くです。

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左の道の奥が「繪所アラン・ウェスト」さん

「繪所アラン・ウェスト」公式HP

 

場所はこちら

 

根津駅が一番近く、10分くらいで歩いて行けます。

あとはJR鶯谷駅の北口か日暮里駅の南改札口、東京メトロ千代田線の千駄木駅からものんびり歩いて行けると思います。